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サーバーまたはエッジのどちらの動画分析が適していると思いますか?

動画分析をエッジまたはサーバーのどちらにインストールすべきか迷っていませんか? それぞれの選択肢の長所と短所を詳しくご説明しますので、どちらが最適かを判断してください。

動画分析は、セキュリティ設備に有用な追加機能になり得ます。この機能を利用すると、潜在的な侵入やカメラの改ざん、歩行者の交通量や車両が向かった方向を検出できますが、それだけではありません。動画分析は、既存の展開を強化する新機能を搭載し、進化し続けています。

環境への動画分析の設置をご検討中なら、その意思決定に影響を与える機能が数多く用意されています。目的は何か、現在どの場所にどんなインフラが構築されているのかを知ることは、設置環境の選択を左右します。

動画分析の導入には、エッジ、サーバー、クラウドの3つの主要なシステムアーキテクチャの選択肢があります。ただし、依然としてクラウド処理にはコストがかかるため、導入時のアーキテクチャはエッジとサーバーが最も一般的です。

各選択肢の違いを確認し、それぞれが最適である条件を理解します。

 
あらゆるカメラを使った分析
 

エッジベースとサーバーベースの分析の違い

各分析の違いを説明する前に、次の用語を理解しましょう。

エッジベース分析とは、動画分析アルゴリズムを実行するソフトウェアをビデオカメラまたはエンコーダーに搭載し分析する方法です。画像の処理とメタデータの作成中にデバイスがネットワークのエッジ(端)に配置されるため、エッジベースの分析と呼ばれます。

サーバーベース分析は、サーバーにインストールされた動画分析アプリケーションのアルゴリズムを生成するソフトウェアを使用します。オンサイトまたは異なるロケーションなどの設置場所を問わず、ビデオ監視ストリームは集中型サーバーに送信され、処理されます。

それぞれの選択肢が実行可能かつ効果的であることを明確にすることが重要です。ただし、最適な選択をする際は、アーキテクチャ、環境、目標によって異なります。

概要: 長所と短所

サーバーベース分析

長所

選択した動画分析ソフトウェアの成果に満足できなかった場合は、ソフトウェアを交換するだけで済みます。機器、時間、予算を無駄に費やすことはありません。ただし、ソフトウェアを置き換えるには、アンインストール、再インストール、構成などの追加の導入手順が必要になる場合があり、必要に応じて新しいライセンスを購入したりハードウェアをアップグレードしたりするコストもかかることに注意してください。

通常、ソフトウェアはカメラのタイプによって決まるわけではないため、用途に最適なデバイスを自由に選択できます。セキュリティシステムのアップグレードを検討中で、かつ既存のエッジコンピュータデバイスをそのまま使用してコスト削減をしたい場合は、それが可能です。サーバーベース分析は柔軟性が高いため、必要に応じて変更が可能です。

また、サーバーには最先端の分析に対応する十分な処理能力があります。このため、さまざまなタイプの分析を同時に実行して、即座に結果が得られます。

サーバーベース分析は、簡単に設定かつ使用できます。例えば、統合分析を使用してセキュリティプラットフォームを導入する場合、ビデオ管理システムと同じインターフェイスから分析を設定できます。さまざまな分析アプリケーションを実行中であっても、ユーザーは分析操作を監督する際に、常にこれまでと変わらない一貫した方法で作業できます。

多くのロケーションに設置する場合や、数百または数千のカメラを完備する大型キャンパスの場合、統合分析を導入することで、チームが費やす時間を大幅に短縮できます。 

短所

サーバーベースの動画分析のデメリットとして考えられるのはどんなことでしょうか? まず、サーバーベース分析は、受信する動画ストリームが最低の品質レベルを満たしている場合にのみ利用できます。これは、設定するカメラの解像度とフレームレートによって定義されます。高解像度のカメラは、低予算の選択肢よりコストがかかる傾向があります。

また、解像度が高ければ高いほど、カメラからサーバーに動画を転送するのにより多くの帯域が必要になります。これは、帯域に上限があるサイトでは困難になる可能性があります。

最終的に適切な解像度のカメラを調達し、サーバーインフラを購入し、他のネットワークコンポーネントを実装する必要があるため、結果的にこのタイプの展開には多額のコストがかかる可能性があります。

より高度な分析を必要とする大規模な展開では、通常、組織は、コストが高くなってもこのタイプを選択することがあります。組織は、ソフトウェアで利用可能な効率アップにつながるさまざまな機能を高く評価しているからです。言い換えると、セキュリティプロセスと事業運営を合理化できる有益な分析ツールをオペレータに与えることできます。

概要: サーバーベース分析の長所と短所

長所
  • 必要に応じてソフトウェアを簡単に交換できる

  • サーバーには最先端の分析に対応する十分な処理能力がある

  • 分析作業を一貫した方法で監督できる

  • 数百台/数千台のカメラを設置する時間を節約できる

短所
  • 動画品質レベルはカメラによって定義される

  • 高解像度のカメラは高コストになる傾向にある

  • 解像度が高いほど、より多くの帯域が必要になる

  • 設定が多くなると、結果的にコストがかさむ可能性がある

 

 

エッジベース分析

長所

エッジベース分析が優れた選択肢と言われるのには多くの理由があります。例えば、通常、カメラのソフトウェアは生の非圧縮映像にアクセスできます。分析の信頼性は非常に高くなります。

また、この分析は簡単に導入できます。分析機能が組み込まれたメーカーのカメラポートフォリオは、通常、同じソフトウェアを使用するため、設定方法を習得すれば簡単に設定できます。

エッジベース分析の設置が遠隔地に最適なのは、そのためです。これらの遠隔地は孤立していることが多く、設置されているカメラは数台のみです。また、機器を追加できるスペースには限界があり、設置スペースが汚れている、高温すぎる、または低温すぎる可能性があり、高価なサーバーに理想的な環境とは言えません。カメラを使った分析を実行することで、これらの課題を解決できます。

状況によっては、遠隔地かどうかにかかわらず、帯域制限に対処できる可能性もあります。エッジ分析は、すべてのデータと処理がカメラを使って行われるため、このような状況で特に有益です。単純なイベントまたはアラームのみがネットワーク経由で制御室に送信されるため、帯域の消費は最小限で済みます。  

短所

一見すると、エッジベース分析の方が適しているように思うかもしれませんが、知っておくべき重要な点がいくつかあります。まず、分析機能が組み込まれたカメラは処理能力が制限されるため、通常は一度に1種類の分析しか実行できません。このため、できることが限られ、緊急事態への対応が遅れる可能性があります。 

選択できるカメラの選択肢も少なくなります。カメラの製造メーカーには、分析またはAIを搭載したデバイスの選択肢が少ないという傾向がみられます。非常に高価になる可能性もあり、特定の予算内でカメラを購入したいという人は導入を見合わせる可能性があります。

異なるベンダーの多種多様なカメラを柔軟に導入したい場合は、エッジベース分析は適さない可能性があります。各ベンダーの分析ソフトウェア間に互換性がほとんど、またはまったくなくなり、管理からメンテナンスまですべてが複雑になるためです。カメラの製造メーカーには、分析またはAIを搭載したデバイスの選択肢が少ないという傾向がみられます。

ただし、将来、別の大きな問題に直面する可能性があります。分析が予想どおりに機能していないことに気付いた場合、または分析を導入した結果に満足できない場合は、カメラをすべて取り除き交換する必要があります。基本的に、この方法は柔軟に拡大を続ける可能性を制限するといえます。

概要: エッジベース分析の長所と短所

長所
  • 高品質の分析に必要な生の非圧縮映像にアクセスできる

  • 設定が簡単

  • 好条件が揃っていない遠隔地に最適である

  • データと処理はカメラを使って行われるため、帯域制限がある場合に最適である

短所
  • 処理能力に限界がある

  • カメラの選択肢が少ない

  • 各ベンダーの分析ソフトウェア間の互換性はほとんど、またはまったくない

  • 柔軟性と拡大能力を制限する可能性がある

結論: 長期的な観点で判断する

作業環境、技術スタック、目標に応じて、知識に基づいた持続可能かつ長期的な判断をすることが重要です。

帯域に上限があり、設置されているカメラは数台のみで、侵入検出のみが目的の場合は、エッジベース分析が最適な選択となる可能性があります。

一方、組織が数百台のカメラを備えたキャンパスを有し、人数カウント、車両の方向の追跡、侵入監視、関心がある他の分析を時間をかけて実施する場合は、サーバーベース分析の方が適しています。

動画分析を活用して、動画をスマートかつ実用的な情報に変える方法についての詳細はこちら

 

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