最新の業界レポートによると、組織の54%は経済面での不確実性により、44%は雇用面での難題により、2025年にはフィジカルセキュリティプロジェクトに遅れが生じると予想しています。コストを削減しオペレーションを簡素化する方法を探し当てることが、かつてなく重要になっています。
コストという意味合いでシステム統合とシステム一本化の違いを把握することで、大幅な節約を阻むものがなくなり、組織の拡張と適応性の目標へさらに近づけます。
電子ブック
コスト面から見たフィジカルセキュリティシステム統合とは
セキュリティシステム統合では、さまざまなベンダーによる入退室管理、動画、侵入検知、自動ナンバープレート識別 (ALPR) などのスタンドアロン型ソリューション同士がつながります。しかし、システム同士がリンクされていても、システム間の通信は制限される可能性があります。
確かに、侵入や入退室管理のイベントを動画システムのインターフェイス内で受信することは可能かもしれませんが、レポートの作成、掘り下げた調査、サイバーセキュリティの強化、メンテナンスなど、多くのアクションやタスクは、いまだに別々のシステムで処理されています。
システム統合で組織にコストがかかる場面は次の4つです。
システムのアップデート |
システムを1つアップグレードすると、統合されている別のシステムとの互換性の問題が生じることがあり、これは予期しない遅延や、通常のオペレーションに復元することによるコスト増大につながります。システム全体でのシームレスなアップデートが確実にできれば、大幅な時間短縮と費用削減になります。
サイバーセキュリティのリスク |
各システムには独自のワークフローがあるため、不整合が生じ、サイバーセキュリティ戦略が複雑になる可能性があります。こうしたギャップがある組織は潜在的な脅威にさらされ、侵害やダウンタイムのリスクひいてはコストが増大することがあります。
オペレータのトレーニング |
オペレータは多くの場合、複数のシステムの機能や特徴を学習するために貴重な時間を割いています。複数のオペレーションをまとめ、インターフェースを一本化するとトレーニングが簡素化され、時間とリソースが節約される分を戦略的な優先事項に振り向けることができます。
メンテナンス |
複数のメンテナンス契約を管理するのには、時間もコストもかかります。システムを一本化すると、メンテナンスを合理化し、更新にかかる経費を削減し、その節約分をセキュリティオペレーションの他の領域に再配分することができます。
ブログ
フィジカルセキュリティ一本化でコストはどのように削減されるか
フィジカルセキュリティシステム一本化では、入退室管理、ビデオ監視、ALPR、インターコム、分析、侵入検知などのフィジカルセキュリティ製品がすべて1つのプラットフォームにまとまります。
そうすると、システムのアップデートがスムーズになり、機能の互換性が高まり、ユーザーエクスペリエンスが向上するので、チームのオペレーションが簡素化されコストが削減されます。その仕組みは次のとおりです。
システムマネジメントの簡素化
システムを最新かつ最適化された状態に維持するには、定期的なメンテナンスが必要です。一本化により、さまざまなセキュリティコンポーネントが1つのプラットフォームに融合されるため、セキュリティシステムとデバイスのアップデートやアップグレードがしやすくなるので、互換性の問題は心配無用です。
デバイスの管理を1か所で行うと、最新の状態を維持することもできます。どのデバイスのファームウェアに更新が必要なのかを正しく特定できると、メンテナンスタスクの優先順位が決まります。そうすれば、セキュリティ上の重大な欠陥の解決にせよ、単なる段階的な改善にせよ、システムのアップデートが常に把握できるようになります。また、システムの健全性チェックやデバイスのステータスレポートの自動化や、他の組み込みツールでサイバーレジリエンスを強化する機会の特定もできます。
ビューが一本化されるので、セキュリティインストール全体にわたるメンテナンスタスクすべてが管理しやすくなります。そうすると、組織全体でリスクが軽減されコンプライアンスが強化されます。
会社概要
オペレータから見た一貫性
オペレータが得るプラットフォーム一本化のメリットは、アラーム管理、調査、サイバーセキュリティのアップデートなどの重要なタスクのワークフローが一貫していることです。インターフェース一本化で、オペレータは、さまざまなシステムの学習に費やす時間を短縮でき、その分組織のセキュリティ確保に注力するための時間が取れます。
システム間の齟齬が少なくなれば、オペレータは十分な情報に基づいた意思決定が迅速にできるようになるので、エラーが低減し、チーム全体の確信が高まります。
ブログ
柔軟性
オープンアーキテクチャ上に構築するフィジカルセキュリティプラットフォームを一本化することで、1つのベンダーのエコシステムに縛られるわけではありません。組織の特定のニーズに最も適したテクノロジーとデバイスを統合できます。
1つのパートナーのハードウェアを選択する場合でも、複数のパートナーのデバイスの組み合わせを選択する場合でも、システムが一本化されていると、すべてがシームレスに連携するようになり、セキュリティ環境をフルに制御できます。
さらに、プラットフォームをオンプレミス、クラウド、ハイブリッドクラウドといったさまざまな展開モデルに適応させることを検討したくなります。これは、コストを長期にわたって最適化することに重点を置く場合、特に重要です。
たとえば、異なったサイト間で要件もそれぞれ異なる場合です。ハードウェアを減らしメンテナンスを軽減する能力を持たせるようクラウドベースのシステムを使用することが最適なロケーションもあれば、オンプレミスサーバーを設置して長期的なストレージコストの最適化やコンプライアンスポリシーへの準拠の助けとする方を選びたいロケーションもあります。
プラットフォームの一本化で、前述のシナリオすべてに適応できるほか、オペレータが 一元的なハイブリッド環境1つでさまざまなシステムを管理することもできるとなれば、その価値も高まります。
チェックリスト
カスタマイズ
一本化されたプラットフォームには、既存のシステムやデバイスをカスタマイズしてつなげる柔軟性があります。こうした適応性がある組織では時間の経過とともに、新しいテクノロジーの追加、規模の拡張、プロセスの自動化などのセキュリティオペレーションも確実に進化します。
プラットフォームを独自のニーズに合わせてカスタマイズするので、セキュリティ環境の陳腐化が防げて、効率性や使いやすさが損なわれることもありません。
ブログ
長期的なビジネス価値とROIの向上
複数のフィジカルセキュリティシステムのプラットフォームを1つにすると、貴重なデータの収集量が増えます。一本化により、このデータを活用してビジネスオペレーションを強化することができます。進化するニーズに合わせて、さまざまなビジネスインテリジェンスモジュールをプラットフォーム内で容易にアクティブ化できるので、オペレーションに関する意思決定がセキュリティ情報で強化できます。
たとえば、動画、入退室管理、侵入検知、インターコムなどのシステムをすべて1つのプラットフォームに一本化できます。そうしてカスタムダッシュボードの構築、視覚化ツールの追加、応答プロセスのデジタル化ができると、オペレータがデータをより迅速に把握する助けとなります。
ハイブリッド作業環境なら、占有率分析を活用することで、オフィススペースを最適化する方法や将来のリース契約を通知する方法を決定できます。この他、ALPRデータを活用すれば、特定の時間枠内に何台の車両が敷地に入ってくるかを把握できます。これは、トラフィックのフローや駐車場の収容台数に関する決定を左右するものです。
照明やHVACシステムなどのインダストリアル・インターネット・オブ・シングス(IIoT)センサーを接続する、というのもあります。そうすると、群衆人数推定分析の結果が特定のしきい値に達したときに空調を自動で調節する、朝一番に来たオフィススタッフがバッジをリーダーにタップしたときに照明をオンにする、などができます。
これらの新しいビジネスアプリケーションがあれば、投資収益率の向上が可能になるだけでなく、適切なフィジカルセキュリティテクノロジを導入することはセキュリティ部門に留まらず新しい働き方の実現にもなることを経営幹部に理解してもらえるようにもなります。